浄土宗の教え
浄土宗は、法然上人により、今から820年ほど前、承安5年(1175年)に開宗されました。
本尊である阿弥陀仏の平等のお慈悲を信じ、「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」とみ名をとなえて、人格を高め、社会のためにつくし、明るいやすらかな毎日を送り、西方極楽浄土に生まれることを願う信仰です。
【ご本尊(弥陀三尊)】
本堂の正面真中にお祀りされている仏さまがご本尊の阿弥陀仏、 向ってその右側が観音菩薩、左側が勢至菩薩です。
合わせて弥陀三尊(みださんぞん)といいます。
三尊とは三体の尊ぶべきものの意であり、時に三聖ともいいます。
観音菩薩は阿弥陀仏の慈悲を、勢至菩薩は知慧を表しており、両菩薩が阿弥陀仏にまとめられることを三尊一体といいます。
【本尊写真】
浄土宗檀信徒信条
一、
私たちは、お釈迦(しゃか)さまが本懐(ほんかい)の教えとして説かれた、阿弥陀(あみだ)さまのお救いを信じ、心のよりどころとしてお念仏(ねんぶつ)の道を歩み、感謝と奉仕につとめましょう。
一、
私たちは、宗祖(しゅうそ)法然上人(ほうねんしょうにん)のみ教えをいただいて、阿弥陀さまのみ名を称(とな)え、誠実と反省につとめましょう。
一、
私たちは、お念仏の輪をひろげ、互いに助け合い、社会の浄化と、平和と福祉につとめましょう。
極楽浄土とは
浄土のもともとの意味は、仏国土つまり仏さまの国、世界ということであり、そこは清らかな幸せに満ち、そこに生まれるとどんな苦しみもないところで、例えば薬師如来の東方浄瑠璃世界、大日如来の密厳浄土など、いろいろな仏さまがそれぞれに浄土を築き、そこで説法していると説かれている。
その中で極楽浄土は、西方浄土ともいわれ、他に極楽界、安養界(あんにょうかい)(土)などともいわれている。
阿弥陀仏が仏になる前の法蔵菩薩の時に、「命ある者すべてを救いたい」と願って四十八の本願(ねがい)をたて、その願いが成就されて築かれた世界である。
すなわち、阿弥陀仏が人々を救うためにお建てになった世界。
どんな人々であろうとも、 念仏を唱えるならば、命終ののち生まれる(行きつく)ことができる永遠のやすらぎの世界。
けがれや迷いが一切ない、真・善・美の極まった世界であるが、単に楽の極まった世界であると考えてはいけない。
われわれは浄土において、仏になるために菩薩行をつみ、やがて仏になることができるのである。
四十八の本願の第十八番目が「念仏往生の本願」といい、南無阿弥陀仏を口にとなえるものは、皆極楽に往生できると説かれている。
『阿弥陀経』には、西方十万億土の彼方にある国と記されている。